低価格ストック写真のFotoliaが高級ストック写真の分野に進出

われわれが2005年11月に最初に紹介したマイクロ・ストック写真のFotoliaは、低価格を武器にプロが撮影した高級ストック写真の市場に進出、今やこの分野の大手GettyCorbisなどを脅かしている

今までマイクロ・ストック写真といえば、Fotolia、iStockphotoSnapVillage などのサイトから無料、ないし高くても50ドル以下で販売されるあまり品質の高くない、アマチュアやセミプロによる写真というのが通念だった。 これに対してGettyやCorbisは、プロの写真家がエージェントを通して提供するずっと品質が高く、その分ずっと高価な写真を提供してきた。

インターネットの普及につれて、マイクロ・ストック写真の普及も進んだ。エージェントを通さず直接マーケットに出せるので、従来より広い範囲の写真撮影者をひきつけることができたからだ。そこで伝統的な高級ストック写真の提供者が「とも食い」などと揶揄されながらマイクロ・ストック写真の分野に進出する例も目立った。たとえば、Gettyは2006年2月に$50M(5千万ドル)でiStockphotoを買収、Corbisは2007年6月にSnapVillageをローンチしている。ところが今度は、280万枚の写真が登録されており、世界最大のマイクロ・ストック写真提供サイトだと主張するFotoliaが逆方向の動きを見せている。伝統的な高級ストック写真の分野に、マイクロ・ストック写真の最大の武器である低価格で殴りこみをかけてきたのだ。

ウェブを通じたストック写真の販売にはオフラインとは異なる価格体系が必要だということを証拠だてるかのように、FotoliaはInfinite Collectionという新しいサービスの提供を始めた。Fotoliaはこのサービスで、従来エージェントを通じて高級ストック写真サイトで販売されてきた高価で高品質な写真1万5000枚を、安いものはわずか$20で販売する。つまり他所で販売されているのとまったく同一の写真を売ろうとするのだから、Fotoliaが狙っているのは「価格破壊」によってGettyやCorbisで販売されていた高価な写真に手が出なかった層から需要を掘り起こそうという戦略だ。

この狙いについては、 Fotoliaが高級写真について、どのコレクションにあった写真なのかを明示することを避けている点からも裏づけられそうだ。つまりユーザーが同一の写真について「お買い得」なサイトをあまり簡単には見つけられないようにしたいのだろう。プロ写真家は従来マイクロ・ストック・サイトは価格が安すぎるので利用を嫌ってきたが、Fotoliaのストックでは情報があまり公開されていないので、プロ写真家自身も、自分たちの写真がひどいバーゲン価格で販売されているのに気づかない例があるかもしれない。

しかし、こうした価格戦略が長期的にわたって効果を上げ続けることができるかは疑問だ。というのもインターネットでは〔激しい競争のため〕価格の差別化というのは長期的に維持されにくい傾向があるからだ。Fotoliaの動きは高級ストック写真を提供しているライバルに価格を引き下げさせることになるのではないかと思う。ただし、写真家側が従来よりはるかに低価格で販売するという戦略に同意するかどうか注目だ。

Crunchbase iStockPhoto

[原文へ]

(翻訳:Namekawa, U)

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